シルクハットぞくは よなかの いちじに やってくる
シルクハットぞくは よなかの いちじに やってくる
- 作 :おくはら ゆめ
- 出版社 :童心社
- 出版年 :2012年
- 対象年齢:3歳~
物語は、夜中の一時、全ての人が眠りについた静かな時間に始まります。大きな黒い山高帽とマントを身にまとった「シルクハットぞく」が、次々と集まって空へ飛び立つシーンが描かれます。彼らの行動は、星の輝く夜空の下で、ちょっと馬鹿ばかしいほど大げさでユーモラスです。シルクハットぞくの見事な演出や格好良い振る舞いに、読者は思わず笑ってしまいます。
しかし、彼らが行う仕事は、実にささやかで、どこか感動的です。読者は、シルクハットぞくのさり気ない心遣いと誰かを思いやる行為を目にすることで、深い感動を覚えます。このほんの少しの心遣いが、夜安心して眠れるという平和の象徴であることに気付かされます。
絵は自由でのびのびとしており、ユーモアを忘れずに描かれていますが、誰かの幸せを願う強い気持ちが伝わってきます。